モーニング娘。の大人気カプ「だーさく」について語りたい
こんにちは。お久しぶりです。
突然ですが、モーニング娘。で一番人気のあるカプは何でしょう。
昨年までなら「まーどぅー(佐藤優樹×工藤遥)」という意見が大勢を占めたでしょうが、工藤さんの卒業があって現役メンバー同士のカプではなくなってしまいました。
今の人気カプというと、意見は分かれるでしょうが、この「だーさく(石田亜祐美×小田さくら)」を挙げるファンも多いと思います。
今回はそんな大人気カプだーさくの魅力に迫ります。
ざっくり二人はこんな子です。
石田亜祐美
10期メンバー 21歳
キレキレダンスと底なしのスタミナでグループを牽引するステージ番長。
真面目でストイックな面と、庶民的でどこかとぼけた雰囲気(だーいし感)を併せ持つ女の子です。リアクションが大きく感情表現が豪快で、グループのムードメイカー的存在でもあります。
11期メンバー 19歳
唯一の11期メンバーであり、圧倒的歌唱力を誇るモーニング娘。の歌姫。
歌やダンスのみならずメイクや見せ方等、自分磨きに余念のないプロフェッショナルです。現在のグループの中では数少ない常識人枠としてボケにボケを重ねるメンバーを一人でツッコむ役も担っています。
この組み合わせは「年上の先輩」と「年下の後輩」という、ごくごく普通の関係です。
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「ビジネス不仲」という関係
だーさくの関係を説明する上でよく登場するワード「ビジネス不仲」
ざっくり言ってしまえば、別に仲が悪いわけじゃないけれど、表では仲が悪い風を装ってバチバチやる、という関係です。
これが面白くて「だーさく」が一躍人気を得ることになりました。
ファンだけにとどまらず、メンバーや事務所スタッフ、果ては外部コンテンツ(東スポ等)にまで浸透した「だーさく」は
モーニング娘。のキラーコンテンツの一つとまで言われています。
しかしこの関係は石田さんと小田さんが商売上手だから生み出されたというわけではありません。周囲に受けがいいことは勿論把握していますが、それを手放しで喜んでいるわけでもなかったりします。
本人たちはいたって真面目に、何年にもわたって「ビジネス不仲」を続けているのです。
この二人の関係では先輩の石田さんに常に主導権があります。(小田ちゃんが掌で転がしているように見えるときもありますが)
ビジネス不仲は、石田さんの不器用さゆえに生み出された関係なのです。
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だーさくの歴史と変遷
- 初期の二人
現モーニング娘。の中でもお姉さん組(9期10期11期)は、5年以上ともに活動していますので、どの二人をピックアップしても深い絆や独特の関係性、歴史があります。
そしてだーさくにもまた、二人だけの歴史があるのです。
小田ちゃんは石田さんの1期下の後輩。つまり石田さんたち10期メンバーにとって初めての後輩にあたります。
小田ちゃんの加入前、初めての後輩を迎えるにあたって石田さんは凄く意気込んでいる風でした。自分がしてもらったように、分らないことだらけの後輩を優しく、時には厳しく導いてあげたい。
しかし蓋を開けてみれば11期メンバーはハロプロ研修生出身の小田さくらただ一人。
歌は抜群に上手いという触れ込みでしたし、ダンスもこなせる。器用さもあり経験もあることから何でも卒なくこなせる後輩でした。
小田ちゃんは加入するなり、パフォーマンスの中心メンバーの一角になり、グループにもあれよあれよと馴染んでいきました。
9期10期メンバーたちも、それぞれのスタンスで小田ちゃんと接し、生田、鈴木、佐藤といったメンバーはすぐに打ち解けて仲良くなっていきます。
石田さんは、小田ちゃんに関しては「出遅れた」組でした。
加入後1年以上経っても二人の間にコレというエピソードは無く、先輩として小田ちゃんに特別に何かをしてあげるということも、殆ど出来なかったようです。
しかし石田さんの中にはそれがずっと蟠っていたのでしょう。
随分後年になって「加入したばかりの小田ちゃんに何もしてあげられなかった」というニュアンスのことをポロっと口にしています。
- 変化の兆し
小田ちゃんの加入から1年以上が経過した2013年後半。すでに二つのツアーを共にこなした小田ちゃんと先輩メンバーとの間に壁は無く、石田さんもみんなといる場でならなんの気負いもなく会話できるくらいにはなっていました。
だけど、趣味嗜好や性格にも全く共通点がないこともあって相変わらず二人だけで絡むということはありませんでした。
ところで小田ちゃんは加入当初、独特の感性やふわふわとした言動、行動を見せることがたびたびあって、「小田イズム」などと呼ばれたりしていました。
ちょどこの頃、その「小田イズム」の処理の仕方として「小田イジリ」が(是非は微妙ですが)モーニング娘。の中で大流行します。「おい!小田!」がグループ内流行語になるほど。
この潮流に、飛びついたのが石田さんでした。
何とか小田ちゃんとの関わりを持ちたかった石田さんは、いち早く小田ちゃんに突っ込む「小田イジリ」の急先鋒という立場をゲットすることに成功します。
殆ど関わりが無いという現状と、激しいツッコミ、イジリが合わさって「不仲ネタ」の原型のようなものが出来上がりました。
- 二人で作り上げた「ビジネス不仲」
最初の頃は石田さんが一方的に小田ちゃんに強く当たり、それを小田ちゃんが苦笑しながら受け止めるというスタイルでした。
メンバーや、石田さんをよく知るファンにとっては「気になる子にちょっかいを出す中学生男子」的な微笑ましさがありましたが、見る人によっては先輩から後輩へのいじめのような印象を受けかねない危うさがありました。
実際それほど仲がいいわけでもないので、小田ちゃんへのフォローは他のメンバーに頼り切り。石田さんの独りよがりに終始してしまう危険性もありました。
そこで当の小田ちゃんが、包容力と器の大きさを発揮します。
石田さんが決して自分憎しできつく当たっているわけではない、自分となんとか関わりを持ちたくてとっかかりを探しているだけだと十分に理解していた小田ちゃんは、石田さんが一人で空回りしてしまわないよう手を打ちます。
それが、「反撃」でした。
当時の小田ちゃんは、とても先輩に噛みつくようなキャラでは無かったのですが、石田さんの意図を汲んで弄られたらイジリ返すという「反撃」を始めたことが、だーさくの関係を大いに発展させていきます。
小田ちゃんからの反撃が始まったとき、石田さんはそれはもう嬉しそうに、なお小田ちゃんに絡みに行くようになりました。
「不仲ネタ」が石田さんだけのものから、二人の共通のネタとなったことで、面白いように二人の関係は接近していきました。
「不仲」を軸にして会話をすすめられるし互いへのダメ出しなどもポンポンと口に出せる関係になったことで相互の理解が深まっていくという、普通とあべこべのような不思議な関係が深まっていきました。
お互いがやりあうようになってから石田さんの「小田イジリ」は見ていて安心できる「ネタ」に昇華され、むしろ前述の「中学生男子みたいな」石田さんの可愛さが浮き彫りになったり、小田ちゃんの包容力や対応力が称賛されたりと、相乗効果も生まれ始めました。
周囲にもその関係が受け入れられるようになり本人たちが「絶好調」と謳うまでになっていきます。
2014年~2016年頃までにかけて、まさにだーさく絶好調の嵐がモーニング娘。カプ界に吹き荒れました。
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ラブラブデートin京都
そんな絶好調のだーさくが、まさにキラーコンテンツであることを内外に知らしめたのが、この「ラブラブデートin京都 ~さくらと一緒にサクラを見に行こう~」です。
これは何なのかというと、アップフロントグループのyoutube番組「Girls Night Out」(現在は終了)内で二人が京都を旅するという企画です。
第13回~15回まで異例の3週に渡って放送されただーさくロケ企画は大反響を呼びました。すべて公式動画として公開されていますので是非ご覧ください。
互いの信頼がうかがえる軽妙な不仲やり取り。その中にも普通に仲良くしたい願望や、素直になれないもどかしさがほんの少しだけ紛れ込んでいたり、
そんなお互いをまるごと許容し、愛おしんでいるような、絶妙すぎる二人の関係に
カプヲタは悶えに悶えました。
普通にロケ作品としてもよくできていて面白いこともあって、この動画は「Girls Night Out」シリーズで最高の再生回数を叩きだしてしまいました。
その反響ぶりに、番組の数あるロケ企画の中で唯一、後にDVDとして当人たちのオーディオコメンタリーつきで発売されています。
過去ハロプロの歴史を振り返ってみても、異例中の異例といえる出来事でした。
だーさくの魅力はこれを見れば一発でわかると言えるほど、だーさくファンにとってはマストアイテムとなっています。また京都の各所は、今でもだーさくファンによって聖地巡礼されているとか。
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だーさくの現在
現在はさすがに21歳と19歳。「中学生男子」みたいな石田さんの苦肉の策で始まった「ビジネス不仲」は落ち着いています。
外縁を無理やり埋めることから始まった奇妙な二人の関係。しかしその絆は確実に深まっており、「一番考えや想いを共有できる相手」というまでに蜜月になっています。
すでにグループの中で先輩メンバー、またステージ上では歌、ダンスそれぞれのトップとしてパフォーマンスを引っ張る存在です。それでいて役職(リーダー、サブリーダー)を持たない中間の立場というのも、二人の共通点であり共有できる点でしょう。
だけどそれ以上に、この二人はグループに対してのスタンスに大きな共通点がある気がします。
この二人、グループ愛、モーニング娘。愛が特に強いと感じさせるメンバーでもあるのですが、「モーニング娘。が好きで入ってきたのでは無い」という意外な共通点があります。
石田さんは仙台のレッスンスタジオに貼られていたポスターを見て、漠然としたメジャーな芸能人への憧れからオーディションを受けたと言っています。
小田ちゃんはスマイレージ2期メンバーオーディションに落選したことを機に、ハロプロエッグに加入しました。
共に、ファンの立場でモーニング娘。に熱狂した経験を持っておらず、そのモーニング娘。愛はグループに加入してから育まれたものなのです。
そんな二人の中に大きな愛を芽生えさせたもの。一概には言えませんが「モーニング娘’14」と「道重さゆみ」の存在がかなり大きいように思えます。
二人がメンバーとしてのモーニング娘。との関わり方を語るとき、その視線の先に8代目リーダー道重さゆみさんの背中を感じることが少なくありません。
つまり、「グループに尽くし、貢献し、もてる全てを出し切って未来に繋げ、卒業する」という、リーダーになってからの道重さんが示した姿。それを理想としているのです。
モーニング娘。’14は一つの完成形であり、現メンバー、とりわけお姉さん組にとっては起点とも軸ともいえるチームでした。
今でも14に「モーニング娘。の理想の姿」を見るファンおり、石田さんと小田さんの中にも少なからずそれがあるのではないでしょうか。
ただ現在のモーニング娘。’18は、14とは全く形の違うチームです。
石田さんと小田さんたちにとって戦友といえる仲間たちが、次々と「道重さんとは違う形で」卒業していきました。
今二人が共有している想い。それが具体的に語られたことはありませんが、モーニング娘。の向かうべき道、理想の姿についてもしかしたら戸惑いを持っているかもしれません。
この度サブリーダーの飯窪さんの卒業も発表され、ますます石田さんと小田ちゃんのグループ内での立場は重要になっていきます。石田さんがサブリーダーに昇格、なんてことももしかしたらあるかもしれません。
9期の二人と共にこれからどんなモーニング娘。を作り上げていくのか。不器用ながらも全ての事柄に真摯に考えを尽くし、努力を怠らないだーさくの二人が、どんなモーニング娘。像を描いて進んでいくのか、とても楽しみです。
そしてだーさくの関係、妙な回り道をしながら築かれた絆が、今後どんな色を帯びて二人の中に紡がれていくのかも、本当に楽しみでなりません。
ちなみに「だーさく」の呼称は石田さんによって正式に否定されています。
曰く「おださくら」一人の略称として成立する呼称だから。
しかしながら誰も呼び方を改めようとはしていません。
それどころかリーダーの譜久村さんでさえ平然と「だーさく」と呼びます。
仕方ありません。だーさくはだーさくですから。